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経歴詐称の従業員を解雇するその前に

経歴詐称の従業員を解雇するその前に

従業員にはどこまでの経歴申告義務があるか

新たに従業員を採用するにあたり、学歴や職歴など、過去の経歴がどのようなものであったかは、選考する上でとても重要な要素となります。そのため、従業員が会社に就職するにあたっては、原則的に過去の経歴を正確に申告する義務があるといえます。

しかしこれは、あくまでも仕事をしてもらう上で、その人がこれから従業員となって、仕事をきちんとこなしてくれるかどうかを判断するために必要だから、という前提が忘れられてはなりません。面接にあたって、職務遂行能力に直接関係しないことがらや経歴を聴くことは、それ自体が不法行為となりかねないので注意が必要です。

たとえば、本籍・出生地に関すること、家族に関すること、住宅状況に関すること、生活環境・家庭環境などに関することは、いずれも本人に責任のない事項で、職務遂行能力に関係するものではありません。また、支持政党、労働組合への加入歴、尊敬する人物など、思想信条にかかわることがらなどは、本来自由であることがらなので、これを職務遂行能力と結びつけること自体が正しいとはいえません。

こうしたことがらは、もともと従業員が会社に対して申告する義務を負わないことがらですので、後日、これらに関して会社が思っていたのと違う経歴であったことがわかったとしても、経歴詐称を理由にした解雇が許容される余地は、およそないといえます。

経歴詐称は懲戒解雇の対象となり得るか

従業員に経歴詐称があった場合の対応について、就業規則にて、懲戒解雇の対象とするという定めが置かれている例がよくあります。まさしくその経歴があったからこそ、採用をしたという場合、実際にはその経歴自体が虚偽であったというのであれば、採用の前提自体が覆ってしまいます。そのため、こういう定めを置くこと自体は、極めて当然のことです。

たとえば、最終学歴や業務上必要ないし重要な技能の有無に関わる職歴などは、通常は職務遂行能力の有無や程度に影響を及ぼす重大な経歴詐称といえますので、これを理由にした懲戒解雇は有効として許容される可能性が比較的高いといえます。

しかし、いわゆる前科・前歴関係については、難しい問題があるといえます。かなり昔の事件であったり、前科・前歴がある中でも、現に相当期間、問題行動なく業務にあたっていたような場合には、前科・前歴があるからといって、職務遂行能力の有無や程度に影響が生じるとはいえない可能性があるからです。特に起訴猶予になっていたり、執行猶予期間が満了しているような前歴については、後に発覚したからといって、職務遂行能力の有無や程度には影響を及ぼすものではないと考えるべきです(仙台地判昭和60年9月19日)。

もっとも、前科・前歴が発覚した場合において、今なお、過去の過ちを反省する態度が見えなかったり、同種の問題行動を起こしているような場合には、事情が異なってきます。前科・前歴があるからといって、それだけで企業秩序を害するとはいえませんが、実際に問題行動が出ている場合には、経歴詐称とは別の問題として、その問題行動の根深さを理由に、懲戒処分の対象とすることが考えられます。

経歴詐称を理由とする解雇の前に弁護士によるアドバイスが重要です

就業規則に経歴詐称を懲戒解雇の対象とすると定められていたとしても、職務遂行能力の有無や程度に影響を及ぼさない事実を理由とすると、思わぬトラブルにつながりかねません。その経歴詐称が懲戒解雇の対象となるかについては、過去の裁判例をふまえた対応が必要不可欠です。

もっとも、経歴詐称があったということは、多かれ少なかれ、会社とその従業員との間での信頼関係に影響を及ぼします。内容によっては、懲戒解雇自体は相当ではないとしても、注意指導や他の懲戒処分の対象とすることも考えられます。また、実際に詐称された経歴と関係する問題行動が目立つ場合には、経歴詐称を理由としてではなく、その問題行動自体に着目した適切な対応が必要です。経歴詐称をした従業員の対応が必要となったときには、特に会社側の立場から労働事件に注力している弁護士によるアドバイスが必要不可欠です。

当事務所では、会社側の立場から労働事件に注力しています。従業員に経歴詐称があったときは、解雇に踏み切るその前に、是非とも当事務所へご相談ください。

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