【解決事例】遅刻欠勤を繰り返す社員への対応
ご相談内容
入社当初は問題なく働いていたものの、最近になって急に、遅刻と欠勤を繰り返す従業員がいました。その都度、口頭で注意指導をしていましたが、一向に改まらないので、解雇を検討しているが、問題ないかとのご相談がありました。
対応結果
遅刻と欠勤の背景には、何らかの事情があるかもしれないので、まずは事情を聴取していただきました。
その結果、その従業員から最近不眠気味であり、寝過ごしてしまったり、そもそも働くこと自体がつらい日々が続いているという申告がありました。
そこで医師の診察を受けてもらったところ、適応障害でしばらく休業が必要との診断書の提出がありましたので、就業規則に基づき、休職命令の発令をしていただきました。
その後、1ヵ月おきに病状報告をしてもらうよう予定していましたが、ほどなく自主退職ということになりました。
今回のケースについてのポイント
就業規則上、「遅刻又は無断欠勤を繰り返したとき」を懲戒解雇とする定めがありましたが、裁判例上、その期間が短期間に集中しているような場合、詳しい事情をふまえないで行う解雇は無効とされるケースが多いといえます。
本件でもまず事情聴取が必要不可欠であり、その結果、何らかの精神的な不調を抱えている可能性が見えてきました。
この従業員は、すでに業務に支障が生じる状態にあり、多くの就業規則では、普通解雇事由に当てはまりえます。しかし、今回のケースのように、医師に診断書で休業の必要性が示されている場合、休業させれば回復するかもしれないので、直ちに解雇することは、相当性を欠くものとして、やはり無効とされる可能性が極めて高いといえます。
遅刻と欠勤を繰り返す従業員は、本人がルーズなのか、精神的不調を抱えているのかなど、原因をふまえた対応がポイントです。
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